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アテローム(粉瘤)

アテロームとは

粉瘤(アテローム)とは粉瘤とは、皮膚の下に袋状の構造物ができてしまい、その中に古い角質や皮脂などの老廃物が溜まってしまった状態です。
非常に良くみられる良性の皮膚腫瘍の一種であり、アテロームとも呼ばれます。粉瘤は全身のどこにでもできますが、特に顔や首、耳周り、背中などにできやすい傾向があります。生涯有病率は、50%を超えています。
厳密な組織学的診断(顕微鏡検査で明らかになる病名)では、「表皮嚢腫」「外毛根鞘嚢腫」「脂腺嚢腫」などが当てはまり、これらの疾患の総称として、粉瘤と呼ばれます。
粉瘤は放置すると炎症を引き起こすと言われていますが、その本態は感染症ではなく、嚢腫壁の破裂・破綻による異物反応と言われています。

アテロームの原因

粉瘤の原因は、脂腺の扁平上皮化成、汗管の扁平上皮化成、毛孔の閉塞、外傷による表皮の迷入など複数の原因が存在すると考えられていますが、詳細なことは明らかになっていません。

粉瘤(アテローム)ができる原因

アテロームの検査・診断

粉瘤は半球状に盛り上がったやわらかいしこりとして現れ、中央に黒い点(開口部)が見えることがあります。
皮膚と癒着していて、深い部分とは可動性があります。
頻度が多い疾患なので、ある程度のトレーニングを積んだ医師であれば、視診と触診で診断出来ることが多いです。
粉瘤と鑑別が必要な腫瘍としては、脂肪腫、血管腫、ガングリオン、癌の皮膚転移、悪性南部腫瘍があります。
超音波画像検査を行う事で、見分ける事が可能です。当院でも必要時は超音波検査をさせて頂いています。

アテロームの手術治療

アテロームの手術治療粉瘤の治療法は、主に手術による腫瘍の切除です。
一般的な治療では、局所麻酔の注射をして切開し、腫瘍の袋と内容物を取り出して縫合します。
小さな粉瘤の場合はくり抜き法など、傷あとの小さな治療を選択することもできます。
炎症を起こしていない粉瘤の場合、手術を受けなくてもあまり問題はありませんが、炎症を引き起こすことも多いので早い段階で治療をすれば患者様にとって負担の少ない治療法を選択できます。
炎症性粉瘤は、嚢腫壁が破裂(ラプチャー)することにより、異物が皮下脂肪織に広がり、異物反応として起こります。
二次感染を起こすこともありますが、近年は切開排膿よりもステロイド注射による治療が推奨されています。
粉瘤は良性の腫瘍であり、危険性は少ないですが、放置しておくと大きくなったり、リスクがあります。
粉瘤ができた場合は、早めに医師に相談し、適切な治療を受けることが大切です。

よくある質問(Q&A)

粉瘤が出来やすい人はどんな人ですか?

粉瘤がなぜ出来るかといった事はわかっていません。
一方で確実に出来やすい体質はあります。経験上、男性で脂性肌の方に多い印象はあります。
粉瘤の成因には汗腺や脂腺の閉塞が関わっているという仮説があり、汗をかきやすい人、脂症の人に起きやすい可能性があります。

粉瘤は皮膚科で診てもらうのが良いですか?

粉瘤の治療は主に皮膚科と形成外科で行われています。
一部には十分な修練を積んでない専門医を持たない医師により、ベルトコンベア式に粉瘤の手術を行うクリニックもあります。
診察と診断が大切なので、皮膚科もしくは形成外科の専門医を持っている医師が望ましいと考えられます。

粉瘤が痛いのですが対処法はありますか?

粉瘤が痛い場合は、被膜が内部で破損(ラプチャー)したり、感染を来している場合があります。
自分での対処は困難なので、皮膚科か形成外科を受診しましょう。
ラプチャーした場合は、炎症が強くなければステロイドの注射で改善する場合があります。
炎症が強い場合は感染も併発している可能性があるので、切開をして膿や内部の角質を絞り出す処置が必要になります。被膜が摘出可能であれば、くり抜き法を行う場合があります。

粉瘤が顔にできたのですが、治療後に痕が残りますか?

外科的な摘出術を行うと傷痕は残ります。
なるべく目立たないように、高い縫合技術を持つ形成外科医による手術が望ましいと考えられます。

粉瘤がおしりにできやすいのはどうしてですか?

粉瘤は背中やおしりに出来やすいです。
これは横になったり、座ったり、体重が掛かる事が原因であると考えています。

粉瘤がデリケートゾーンできたのですが切開できますか?

出来ます。原則的には形成外科での対応になりますが、女性医師希望で女性形成外科医が不在の場合は皮膚科での対応になることがあります。

粉瘤を自分で潰すとどうなりますか?

内容物が残存して炎症が長く続いたり、感染を引き起こしたりするので自分で潰すことはやめましょう。

粉瘤の手術費用を教えてください。

大きさ、部位、保険の自己負担割合によって異なります。
非露出部は、Tシャツ、膝上の短パンを履いて隠れるところです。
露出部とは、それ以外の部分と考えていただければ良いです。

以下は3割負担の場合となります。
※下記に加え、画像検査や病理検査、薬剤、処置物品の代金などがかかることがあります。

皮膚・皮下腫瘍摘出術(露出部)

サイズ

料金(税込)

直径2cm未満 5,000~6,000円
直径2cm以上4cm未満 11,000~12,000円
直径4cm以上 13,000~14,000円

皮膚、皮下腫瘍摘出術(非露出部)

サイズ

料金(税込)

直径3cm未満 4,000~5,000円
直径3cm以上6cm未満 10,000~11,000円
直径6cm以上12cm未満 12,000~14,000円
直径12cm以上 25,000円